グローバル経済見通しとマーケット情報を毎週更新
• FRB高官のインフレ警戒姿勢、足元のインフレの上振れ・失業率の下振れを踏まえ、24年12月は政策金利は据え置かれ、25年3月、6月に各々0.25%ポイントの利下げが実施されると金融政策予想を変更した。
• 第二次トランプ政権の初期には、関税と税制変更が経済政策の焦点になると予想される。
• 関税を原因とするインフレ圧力が25年半ばまでに高まろう。これを受けFRBは長期にわたり利下げを休止するとみる。
• 労働市場は減速しており、リスクは引き続き下振れ方向に傾いている。急激な悪化よりも、徐々に冷え込む可能性が高い。
• 消費の軟調やドイツ経済の構造的な弱さが足かせとなり、経済成長は、緩やかな回復にとどまろう。
• ユーロ圏のコアインフレ率は24~25年を通じて政策目標を上回る推移が続くとみられるが、サービスインフレの勢いは徐々に弱まろう。
• 成長とインフレが鈍化する中、ECBは25年半ばまで会合ごとに0.25%ポイントの利下げを実施し、25年9月に最後の利下げが行われ、中銀預金金利は1.75%となろう。
• 資産購入プログラム(APP)購入資産は23年7月から全額が再投資停止となった。パンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)についても24年7月から部分的再投資停止による縮小が開始された。
• 英国の実質GDP成長率は23年の低迷を経て、24年前半に力強く反発した。景況サーベイは、ペースは落ちるが24年後半以降も景気の拡大が続くことを示唆している。
•上振れリスクとして、失業率の低下、秋季予算の措置が挙げられ、下振れリスクとして、これまでの金融政策引き締めの影響と平均を下回る信頼感が挙げられる。
• 消費者物価(CPI)上昇率は政策目標に近づいているが、サービスインフレ率はより粘着性が高く、正常化にはしばらく時間がかかる可能性がある。
• イングランド銀行は8月に利下げを開始した。今後は四半期ごとの利下げを予想(政策金利は26年に最終的に3.5%へ)。ただし利下げペース加速のリスクがある。
• 日本経済は2024年4-6月期を起点として、潜在成長率を上回る回復基調を辿ろう。
• 石破政権は自公に加えて国民民主党など野党とも調整しながら、財政政策の拡張を図る。
• 連合は10月18日、25年春闘の賃上げ目標を24年春闘と同じく「5%以上」とする基本構想を発表。
• 日銀は24年12月会合で追加利上げをした後、25年も2回(4月、7月)の利上げに向かおう。
• アジアの輸出の伸びは、世界的な需要の軟化、価格効果の剥落、輸出前倒しの一巡により、徐々に鈍化すると予想している。
• 域内の成長は引き続きまだら模様となろう。台湾とシンガポールは他を上回るとみているが、中国とタイは期待外れとなりかねない。
• インフレ率は引き続き穏やかに推移し目標内に収まる公算が大きいが、トランプ氏の返り咲きを受け、ディスインフレが更に進むリスクが高まった。
• FRBの利下げ回数が少なければインドネシアと韓国の中央銀行による利下げ回数も少なくなるだろう。その他の国ではFRBとのデカップリング(非連動)を予想する。
• 韓国:成長鈍化にもかかわらず、為替を巡る懸念が再浮上したため、25年末までの追加利下げは計0.50%ポイントにとどまると予想。
• インド:成長鈍化とインフレ低下を背景に、25年2月から計1.00%ポイントの利下げを予想。
• インドネシア:次期政権のポピュリズム的政策は財政リスクを高めており、経常収支赤字も拡大傾向にある。
• 豪州:失業率の上昇とインフレの緩やかな減速が予想され、25年2月から利下げが開始されよう。
• 経済は、エクイティ・ファイナンスの落ち込み、徴税の強化、金融セクターの取り締まりなど、新たな逆風に直面している。
• 足元では、繰延需要の一巡、不動産価格の下落、地方政府の債務、「グリーン」投資などの逆風が続いている。
• 政府はついに住宅危機の収束に向けて正しい方向に動き出した。政策の焦点は未完成住宅の引き渡しに移っている。
• しかし、これは気の遠くなるような任務であり、政府が完全に態勢を整えるには時間がかかるため、忍耐が必要であろう。
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