中国の学習塾市場は、幼稚園児~高校3年生までの学生約1億8000万人(全学生の約66%を占める)を有する、大規模な市場である。2019年に学習塾に通う子供の割合は、32%と推定されている。学習塾業界におけるオンライン学習塾の割合は約13%で、従来は対面型の授業が圧倒的だった。
野村では、オンライン学習塾業界には大きな成長余地があり、市場規模は今後5年間で倍増し、2024年には9,800億元(年平均成長率15%) に達すると予測する。学習塾の普及率は2019年推定の32%から2024年には47%に拡大する見込みであり、インターネットを活用することで、学習塾の普及が不十分な地方都市の児童・生徒でも大都市における優れた講師陣に学ぶことができるためだ。学習塾業界におけるオンライン学習塾の割合は19年の13%から24年には40%に拡大しよう。
コロナはオンライン学習塾業界をどのように変化させただろうか。中国の公立校と学習センターが旧正月以降閉鎖された後、オンライン学習は中国の学生にとって最良の解決策となった。大手オンライン学習塾事業者は、需要の急激な増加を歓迎しており、業界再編が加速している。2019年には20%であった上位6社の市場シェアは、2020年には25%となった。長引くパンデミックはオンライン学習におけるユーザーの行動を変容させ、業界の発展に長期的な影響を与える可能性がある。
オンライン学習塾業界はまだ初期段階にあり、事業成長が優先される。首位の座を守るために、大手オンライン学習塾はマーケティング費用を増やしている。大規模な広告宣伝キャンペーンにより、オンライン学習塾事業者のほとんどは、夏から秋にかけて非常に強気な有料登録人数の目標を掲げている。
他の業界と異なり、教育は長期戦であり、市場の裾野は広い。インターネットは成長を促しているが、本質的な内容が変わっているわけではない。学習の内容や人が教育業界の中心であり続ける。しっかりした基礎と差別化された戦略を持った事業者だけが、この業界を導くだろう。
アンカーレポート China K12 AST: Embracing the online boom 2020/4/15より
Head of Internet Research, China
China Internet & Education